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出版社と図書館をつなぐシリーズ【平凡社編】
@海老名市立中央図書館
出版社と図書館は、読み手に「本を届ける」という同じミッションのもと仕事をしています。しかし、図書館で働く人も使う利用者も、出版社がどのような思いで本をつくり、流通させているか、知る機会があまりありません。出版社と図書館、相互にわかりあい、出合える場としたい、と海老名市立中央図書館では連続講演会「出版社と図書館をつなぐシリーズ」を企画、開催しています。

下中美都社長
12月1日からリニューアルのため、海老名市立中央図書館は閉館となります。そのため、このシリーズも第6回目の今回で一区切りとなります。
記念すべき回の「出版社と図書館をつなぐシリーズ」では、平凡社の代表取締役社長:下中美都さまにお話をいただきました。
1914年(大正3年)に創業、2014年に100周年を迎えた平凡社。創業者の下中弥三郎氏のお孫さんにあたる下中美都さんは、下中弥三郎氏(1878-1961)の生涯を通して平凡社の100年のこと、百科事典を出版するということについて、時にユーモアをまじえながらお話くださいました。

当日、会場で配布された資料
たいへんな苦労をしながら独学で学び、教員を経て出版社を興した弥三郎氏。出発は自著の小事典『や、此は便利だ』でした。
『現代大衆文学全集』全60巻刊行(1932年完結)や『世界美術全集』全36巻刊行(1930年完結)を経て、雑誌『平凡』創刊、さらには『大百科事典』全28巻刊行(1935年完結)。第二次世界大戦後もさまざまなジャンルの事典や全集、また日本初の本格的グラフィック月刊誌『太陽』や『東洋文庫』の刊行など、弥三郎氏の企画と強いコピー、宣伝活動により、個人はもとより図書館のレファレンスには欠かせない出版社となっていきます。

一方で、百科事典の編纂はたいへんな人手と労力、莫大な費用がかかります。
さらにWebの時代の到来のいま、「お昼ご飯に何を食べよう?という情報と、百科事典に載せる情報が同じ価値としてフリーになってしまったということ」をふまえながら、今後の平凡社についてもお話をうかがいました。
百科事典の良さは、調べたいと思った項目の隣にある、これまでまったく関心のなかった項目を自発的に読み、「おもしろがる力がつくこと」と下中社長のお話をうかがいながら、図書館の棚にも同じことがいえるのでは、と思いが広がりました。
図書館で開催される意義のある講演会で、大勢の海老名市民の皆さまにご参加いただくことができました。

会場では平凡社の出版物や
100周年記念の布バッグなども販売されました
詳しくは「図書新聞」2014年12月13日発売予定号に掲載していただく予定です。
- 平凡社のHPはこちら
これまでの「出版社と図書館をつなぐシリーズ@海老名市立中央図書館」
第1回目(5月17日)みすず書房 持谷寿夫社長
「図書新聞」№3161 2014年5月31日掲載
第2回目(6月22日)柏書房 富澤凡子社長
「図書新聞」No.3166 ・ 2014年07月12日掲載
第3回目(7月13日)原書房 成瀬雅人社長
「図書新聞」No.3170 ・ 2014年08月09日掲載
第4回目(9月28日)岩崎書店 岩崎弘明社長
「図書新聞」No.3180 ・ 2014年11月01日掲載
第5回目(10月11日)偕成社 今村正樹社長
「図書新聞」No.3182 ・ 2014年11月15日 掲載