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図書館とはなんだろうか
本(資料)がたくさんあっても、(それだけでは)『図書館』とはいえません
図書館にはたくさんの資料があります。それらは一定の見識に基づいて選ばれ、規則的に分類され、配架されています。私たちはこのことが図書館のもっとも根源的なはたらきであると考えています。なぜなら図書館は、人類がこれまで創造した知識や情報を収集し、組織化して保存することによって次世代の知的生産活動に貢献する社会的な機能そのものだからです。
目録を整備する
蔵書資料の目録は図書館のいわば原点と言えます。蔵書目録によって資料は系統的に組織化されます。高精度な目録によって、利用者は大量の資料の中から目指す資料を短時間で容易に探し出すことができます。私たちが制作する汎用書誌データベース(TRC MARC)には、あらゆる角度から資料にアクセスできるKeyが1,332項目設定され、その精度の高さゆえ全国の公立図書館を始めとして、さまざまな図書館およびその類似機関で活用されています。(合計3321機関:公共図書館、公民館、センター含む)
目録には目指す資料の配架記号が示されており、各図書館固有の配架位置を特定することができます。目録と規則的な配架が連動することで、必要なときに必要な情報を取り出すことが可能となります。そして図書館はこの基本的な機能を具備するからこそはじめてさまざまな付加的なサービスの提供が行われるのです。
分類し、配架する
森羅万象の主題を1から9に分かち、その何れにも属さない主題の(あるいは1~9の複数を主題とする)資料すなわち『その他の主題』を0に収める。これを枝分かれさせることで、分類は細分化していきます。この十進分類法は今から約140年前にメルヴィル・デューイによって考案され、日本でも改訂を加えながら現在まで連綿と使われています。
TRC MARCにも日本十進分類法に拠る参考分類が付与されています。この分類は図書館ごとに定められた細則に基づいて変換され書籍の背ラベルに印字されます。小学校の図書館から公共図書館、大学図書館、専門図書館に至るまで、図書館の蔵書はこの記号に準じて書架に並べられています。十進分類法は図書館の最もスタンダードな分類法と言えます。そしてそれにより全国の図書館のネットワークが構築され、図書館の機能が完結されます。
本を選ぶ
毎日たくさんの新刊書が刊行されています。一般的な販売ルートを経由する書籍だけでも年間約8万点を数えます。その中から図書館にふさわしいものを選ぶのは、重い責任があり、しかも極めて多忙な作業です。
私たちは、TRC MARCの制作と並行して図書館用新刊書籍の商品カタログ『週刊新刊全点案内』を毎週発行し、全国の図書館にお届けしています。誌名の通りここには前週に国内で刊行された書籍の全てを掲載しています。(ただし、図書館が購入対象にしない書籍は掲載していません) また、カタログには社外の権威ある選書委員によって推薦を受けた書籍が併せて紹介されています。
図書館職員はこのカタログ誌によってすべての新刊書籍の中から安心して書籍を選ぶことができます。私たちはそれらを自社倉庫に一定期間在庫することによって、注文を受け、図書館用の装備を行ったのち、迅速にお届けする仕組を提供しています。
私たちは図書館が担う地域の知的教育活動とは、彼らが地域の課題を自覚しその解決に向けて努力する自由で自立した多数の市民を育み、結果として彼等こそが日本の民主主義を支えることを信じ、自由で自立した民主的な地域社会づくりが行われるものと考えています。
掲載:2015.12.08