令和6年(2024年)12月19日
図書館の新たな活用方法 10代の居場所をつくる実証プロジェクトが始動
10代の居場所を「図書館」に 東京都杉並区の図書館で実証事業開始
株式会社図書館流通センター(代表取締役社長:谷一文子、以下「TRC」)は、認定特定非営利活動法人カタリバ(本部:東京都中野区、代表理事:今村久美、以下カタリバ)が行っている
【全国に10代の居場所がつくられる未来を目指したインキュベーション事業「ユースセンター起業塾」】において、図書館をユースセンター(10代の居場所)として活用するカタリバの実証事業に協力します。
全国に約3,330館ある公共図書館のうち、598館で業務委託と指定管理者等の図書館受託運営業務を行っているTRCが運営する図書館で、カタリバが実証事業を行います。
今後は全国の自治体等と協働し、地域に根ざした持続可能な子どもの居場所支援としての展開を目指しています。
図書館実証プロジェクト概要

- ・実証期間:2024年10月〜2025年1月
- ・場 所:東京都杉並区立図書館(TRC運営館)
- ・開催日程:週3日 17:00-20:00
- ・参加対象:13歳〜18歳(中高生世代)
- ・参加費:無料
コンセプト
「学習の合間に気軽に立ち寄り、心身をリフレッシュできる場」
「同世代が集い、新たなつながりが生まれる交流の拠点」
内容
中高生同士が、ボードゲームやウクレレなどを媒介として交流し、気軽に会話できる環境を提供
中高生の声を反映し、ウクレレ練習会、ボードゲーム大会、「推し」を語る会など、様々なイベントを開催
自習スペースを開放し、「友達と話しながら勉強したい」といったニーズにも対応
スタッフによる学習サポートや進路相談にも応じ、幅広いニーズをサポート

人口減少×公共施設再編の先にある、10代の居場所としての新たな価値創出 「ユースセンター」とは
高度経済成長やふるさと創生事業をきっかけに、日本の公共施設数は増加し、2025年には約7割の施設において、大規模改修工事を要する状態になると予想されています。(* 2015年 鳥取市公共施設白書による)加えて、地方を中心とした人口減少により、従来想定していた公共施設の需要の低下などを理由に施設廃止や機能統合による効率的な運用や、新たな価値の創出が模索されています。 一方で昨今、公共の場においても繁華街に集まる子どもが犯罪被害に巻き込まれたり、飲食店とのトラブルなどの報道が増えています。このような状況は、子ども個人が抱える課題ではなく、前述の社会的背景や変化により「居場所をなくした子ども」が増えたとも捉えられ、社会的な課題として、多くの自治体が取り組む重要事項となりつつあります。このような社会の現状に対して、どのような状況の子どもでも安心して過ごせる場所や可能性を広げていける環境をつくるため、こども家庭庁が中心となり「こどもの居場所づくり」を推進しています。 なかでも「ユースセンター」は10代の子どものための、家でも学校でもない、第三の居場所(サードプレイス)であり、意欲と創造性を伸ばす関わりが生まれる場所として注目されています。
「図書館」を居場所へ。10代が意欲と創造性を育む場を目指す、実証事業をスタート
カタリバでは2011年の東日本大震災をきっかけに、被災地での子どもの居場所づくりを原点に全国に居場所を展開してきました。2021年からは、全国に10代の居場所がつくられる未来を目指したインキュベーション事業「ユースセンター起業塾」を運営しています。2024年より継続的な地域のユースセンターの拡大と成長支援、ユースワーカーの育成支援などに取り組んでいます。そのなかで新たに、自治体が運営する公共施設が「ユースセンター」としての機能を担うことで、諸課題の解決に向けた価値創出を模索してきました。 この度TRCの協力により、東京都杉並区の公共図書館にてユースセンター活用の実証事業をスタートしました。
認定特定非営利活動法人カタリバとは
どんな環境に生まれ育った10代も、未来を自らつくりだす意欲と創造性を育める社会を目指し、2001年から活動する教育NPOです。高校への出張授業プログラムから始まり、2011年の東日本大震災以降は子どもたちに学びの場と居場所を提供するなど、社会の変化に応じてさまざまな教育活動に取り組んでいます。 設立 : 2001年11月1日 代表 : 代表理事 今村久美 本部所在地 :東京都中野区中野5丁目15番2号 事業内容 :高校生へのキャリア学習・プロジェクト学習プログラム提供(全国)/被災地の放課後学校の運営(岩手県大槌町・福島県広野町)/災害緊急支援(全国)/地域に密着した教育支援(東京都文京区)/困窮世帯の子どもに対する支援(東京都足立区・全国)/外国ルーツの高校生支援(東京都)/不登校児童・生徒に対する支援(島根県雲南市・全国)/子どもの居場所立ち上げ支援(全国) URL:https://www.katariba.or.jp
株式会社図書館流通センターについて
書誌データベース(TRC MARC)の作成と販売、図書館向けの装備付図書等の販売と、全国に約3,300館ある公共図書館のうち598館で、業務委託と指定管理者等の図書館受託運営業務を行っています。学校図書館の支援業務や、電子図書館事業やデジタルアーカイブ事業をはじめ、軽自動車の移動図書館車LiBOON(リブーン)など、図書館に関わるさまざまな機器・用品等の販売も行っています。
お問い合わせ
株式会社図書館流通センター 広報室
Email:contact●mail.trc.co.jp
カタリバ(担当:阿部)
https://www.katariba.or.jp/report/